1 白菜の起源・由来(学名:Brassica rapa var. pekinensis 和名:白菜)
白菜は、アブラナ科アブラナ属に属します。
白菜は地中海沿岸が原産地とされていますが、白菜として発達したのは中国北部で、7世紀頃に最初の白菜の形が誕生したと考えられています。最初は丸くならない不結球型で、16~18世紀頃に結球するようになったといわれています。
日本に白菜が渡来したのは江戸時代末期に不結球形の品種でした。結球形は幕末に導入されたようです。本格的に栽培が行われるようになったのは日清・日露戦争後といわれています。
「はくさい」と言う呼び名は、中国語の「白菜」に由来しています。
2 白菜の種類
白菜の種類は大きく分けると、結球、半結球、不結球の3タイプがあります。
一般的な白菜は、結球タイプです。2〜4kgほどの大型の白菜で、円筒形(包被型)で外葉が緑色、中は黄緑〜黄色がかっています。水分が豊富で甘味があり、加熱するとまろやかな食感になります。
半結球形は、下半分はぎっしりとしていますが、上半分が重ならず開いています。葉がやわらかくて食味が良く漬け物に向いています。半結球形の代表的なものとして「山東菜」があります。
「ミニ白菜」は重さが1kg前後の小型白菜で、一度に使いきれるサイズに開発された小型品種です。味や食感は普通の白菜と変わらず、鍋物、炒め物、漬け物などに適しています。
「オレンジ白菜」は外見が一般的な白菜と同じですが、中の葉の色が一般的な物より濃く、オレンジ色から橙黄色で、その分栄養価も高い白菜です。甘味が強く、漬け物や炒め物はもちろん、生のままサラダにしてもおいしく食べられます。
「竹の子白菜」は、長さが40~50cm、直径15cmほどの長円筒形をしています。中国河北省が原産とされ、その姿が竹の子に似ているところから名前が付きました。葉肉が固く、煮崩れしにくので、煮物にむいています。
3 白菜の栄養・効果
白菜は水分が96%を占める非常に低カロリーな食材です。
白菜の食物繊維は特別に多いわけではありませんが、一度にたくさん食べる事の出来る野菜なので、食物繊維の栄養効果を充分に期待できます。食物繊維は、便秘を解消したり、食事としてとったコレステロールや糖質を体外へ排出してくれるので、高脂血症や糖尿病の予防に役立ちます。
白菜には、カリウムが豊富に含まれています。カリウムは、血圧を上昇させるナトリウムを体外へと排出してくれます。食物繊維とあわせて体外へナトリウムを排出してくれるので、白菜には高血圧を予防する働きが期待できます。
免疫力を上げて風邪予防に欠かせないビタミンCや、丈夫な骨の形成に欠かせないビタミンKとカルシウムが比較的多く含まれす。
4 白菜の選び方・保存方法
葉先までかたく巻いていて、大きさの割に重い物で、胴に張りと締まりがあり切り口がみずみずしく白い部分につやがあり肉厚なものを選びます。外葉は緑色が濃く、黄ばんでいない物が良品です。
カットして売られている場合は、断面が水平で葉がつまっていて、芯の高さが1/3以下の物を選びます。
丸ごとの場合は乾いた新聞紙に包んで冷暗所で保存します。使うときは外側の葉から1枚ずつはがしていきます。
カットされているものは、切り口部分までしっかりとラップに包んで冷蔵庫の野菜室で保存します。
丸ごとの場合も、カットされている場合はも縦にして置きます。
軸の根元に縦に切れ目を入れておくと、白菜の成長が止まるので、鮮度が長く保たれます。
5 白菜のまとめ
白菜と言えば鍋です。寄せ鍋・ちゃんこ鍋・キムチ鍋、どんな鍋にも相性ばっちりです。
特に好きなのは、しゃぶしゃぶ用の豚バラ肉と重ねて作るお鍋です。最近は「ミルフィーユ鍋」と言われることが多いお鍋です。
白菜から水分が出るので、料理酒を加えるだけでいいので簡単です。ポン酢で食べるのが私は好きなのですが、子どもたちはポン酢が苦手なので、普段はお鍋にめんつゆを足して作っています。
ミルフィーユ鍋と似た作り方の煮物もよく作ります。こちらは、豚バラ肉ではなくツナと油揚げを使用します。お鍋に白菜を引いてその上にツナと油揚げをのせます。それを何回も繰り返します。料理酒とめんつゆを加えて火にかけるだけです。ご飯にもお酒にもよくあいます。