
1 ももの起源・由来
(学名:Amygdalus persica L.(Prunus persica) 和名:桃)
ももは、バラ科モモ属に属する果物です。
ももは中国が原産で、中国では3000年以上前から食用として栽培されていたといわれます。ヨーロッパには紀元前にすでに伝わっており、ローマ帝国の書物にはいくつかの品種についても記されています。
日本に伝わった時期は定かではありませんが、縄文時代の遺跡から種が見つかっています。記録としては古事記や万葉集などにも登場しています。主に食用として本格的に栽培が始まったのは江戸時代位からとされています。明治時代に入り、中国から水蜜桃が輸入されるようになり、それを品種改良した物が現在一般に流通している色々な桃の原型となっています。
ももの由来は諸説あり、たくさんの実がなることから「実実(みみ)」が「百(もも)」になったという説や、実が赤いので「燃実(もえみ)」が転じたともいわれます。
2 ももの種類
ももの代表的な存在である「白鳳」は、「白桃」×「橘早生」として神奈川県で育成されました。果肉は白くやわらかな口当たりで果重は250~300g程度です。酸味は少なく多汁で、上品な甘さを持っています。
「あかつき」は、「白桃」と「白鳳」を交配させた品種で、糖度が高く、果肉は緻密で溶質ながら歯ごたえのある桃です。250~300gほどで玉揃いがよく、ふっくらとした扁円形をしています。果肉は白っぽいクリーム色でうっすらと紅が混じっています。
「ゆうぞら」は、「白桃」と「あかつき」を交配した品種で、果肉は緻密で糖度が高く、日持ちにも優れています。果重は250~300g程度です。
「黄金桃」は、果肉が黄色い黄桃の仲間ですが、果肉が固く、主に缶詰などの加工用に適したものが多かった従来の黄桃に比べ、とてもジューシーで甘く、生食向けに適した品種となっています。果肉は溶質で、強い甘味とほどよい酸味があります。
このほかにも、ももは非常にたくさんの品種があります。食べ比べをするのも、ももを楽しむ一つです。
3 ももの栄養・効果
ももは、水溶性のペクチンと不溶性のを両方多く含んでいます。水溶性のペクチンは、血中のコレステロールの上昇を抑えて高脂血症を予防し、不溶性ペクチンは便のかさを増やして便秘を解消したり、大腸がんを予防する働きがあると言われています。
血圧を下げる働きをするカリウムや、二日酔いの原因となるアセトアルデヒドを分解してくれるナイアシン、体の脂質の酸化を防いで細胞ががん化することを抑制してくれるビタミンEも多く含んでいます。
果肉が白色系のももには、フラボノイドというポリフェノールが多く含まれています。黄色系のももには、βカロテンが多く含まれ、桃色系のももには、アントシアニンというポリフェノールが多く含まれています。いずれも抗酸化作用があることが知られていて、動脈硬化を予防し、心臓病や脳血管疾患になりにくくする働きがあると言われています。
ももは、表面のうぶ毛を洗い落とし、皮ごと食べることでよりたくさんの栄養を摂ることができます。
4 ももの選び方・保存方法
ふっくらときれいな丸みをしていて、全体的に紅く色づいているものを選びます。皮の色は濃いほうが甘味があり、色の濃い部分に白い点々が出ていればより良品です。また果皮全体にうぶ毛があり、香りの強いものがおいしいももです。
桃は室温に置いておくと果肉がやわらかくなるので、かたい桃は新聞紙などで包み風通しのよいところで常温保存しておきます。冷やしすぎると甘味が落ちるので、食べる2~3時間前に冷蔵庫の野菜室にいれます。軽くふれて、やわらかみを感じれば食べ頃です。
熟して食べ頃の物は冷蔵庫に長時間入れる場合は、1つずつ紙に包んでビニールやポリの袋に入れて野菜庫に入れます。
5 もものまとめ
ももは、外観からしてかわいくって大好きです。もちろん食べるのも大好きです。
子どものころから、季節になると母と一緒によく食べていました。子どものころは、家から少しはなれたところに、もも栽培農家さんがあってよく買いに行っていました。毎年楽しみにしていましたが、高校生ぐらいの時から、栽培をやめられたみたいで、買えなくなって非常に残念な思いをした記憶があります。母に聞いたら、「栽培するのが大変でやめたみたいだよ。」と言っていましたが、母が一番残念そうでした。
その農家さんのもも畑には毎年かぶと虫がいっぱい集まってきていて、近所の小学生にあげていました。
かぶと虫はももの木で捕まえるものだとずっと思っていました。