食育の原点「食育基本法」とは?国を挙げての一大プロジェクトの裏側

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食育の原点「食育基本法」とは?国を挙げての一大プロジェクトの裏側

◇食育基本法とは?

食育基本法とは国を挙げて食育を推進するために制定された法律です。平成17年(2005年)6月10日に成立し、翌月7月15日に施行されました。

そもそも食育に法律があることに驚く人がいるかもしれませんが、それほどまでに日本の“食文化”は危機的な状況だということです。

◇食育基本法が作られた背景とは?

日本人が昔から慣れ親しんできた「白米とお味噌汁と漬物」「一汁三菜」などの日本の食文化は時代とともに変化し、現在は欧米の食文化に押され気味と言ってもいいでしょう。子どもたちの好きな食べ物の代表はカレーやハンバーグなど洋食が多いことにも表れています。

コンビニやファストフードなど便利なお店が増える一方で、本物の和食に触れる機会は減ってしまっています。そのような時代だからこそ日本の昔ながらの食文化を守ろうというのが食育基本法制定の背景のひとつです。

他にも食に関するさまざまな問題が背景にあります。

・栄養バランスの偏り、不規則な食生活による健康への影響(生活習慣病の増加など)

・極端なダイエット志向

・食品偽装や添加物など食品の安全性

・食料自給率の低下と海外依存

食とは肉体的・精神的な健康に大きく関わる問題のため、小さな頃から正しい知識を身につけることが肝心だと考えられているのです。

◇食育基本法の目的とは?

食育基本法は「日本人が健康な食生活を送るための判断力を付けること」を目的としています。健全な食生活は健康な身体を作り、豊かな生活を送る基本です。そのための食に関する知識は老若男女問わず必要で、国を挙げて食育を広めていこうと多方面で活動が行われています。

◇様々な分野での食育

食育というと子ども向けのイメージを持つ人が多いと思いますが、“食べる”という行為は年齢・性別問わず大切な営みです。食育の推進はさまざまな視点から取り組まれています。

・学校給食

幼稚園や保育園、小中学校の多くで栄養バランスを整え成長を支える目的で学校給食が提供されています。また現代社会では“孤食”“個食”と言って一人きりでごはんを食べる習慣が問題視されていますが、集団で食べることで食事のマナーを学ぶことにもつながります。

・食品工場見学

試食や試飲、お土産が充実していると密かなブームにもなっていますが、工場見学も立派な食育のひとつです。普段口にしているものがどのように作られているのか興味を持つことはとても大切なことと言えます。子どもだけじゃなく大人も楽しめるのでレジャー感覚で行ってみると良いでしょう。農水省のHPに一覧があるので参考にしてみてください。

・地産地消の推進活動

日本の食料自給率はカロリーベースで約40%と半分以上を輸入に頼っているのが現状です。しかし私たちの周りには豊かな自然があり、農家や酪農家など食料を生産している人が多くいます。そんな地元で生産されたものは地元で消費しようというのが“地産地消”です。この取り組みは自給率アップだけでなく、第一次産業の活性化にもつながります。

◇毎年6月は「食育月間」

国や関係団体が協力して食育推進を強化しようと定められたのが「食育月間」です。食育基本法が成立したのが2005年6月のため、6月が「食育月間」とされました。

毎年全国大会が開かれるほか、各地でさまざまな食に関するイベントが開催されます。栄養に関するパネル展やシンポジウム、料理教室、食材に関するクイズ大会など気軽に参加できるものもあるようです。

◇毎月19日は「食育の日」

あまり知られていませんが毎月19日は「食育の日」です。一説では食“育(19)”のごろ合わせで19日になったとされています。

地域や学校など独自の取り組みがあり毎月テーマを掲げ全校生徒で学習したり、飲食店で特別メニューが提供される市町村もあります。

家庭でも毎月19日はいつもより栄養バランスを気に掛ける、国産の食材だけで料理する、家族全員そろって食事をとるなどちょっとしたルールを決めて取り組むと、食育に触れるきっかけになるでしょう。

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