食育基本法ができた背景から課題を見る

約 1 分

食育基本法とは

食育基本法は、2005年に6月10日に成立、2005年7月15日から施行された食育に関する法律です。この法律は、国民が健全な心身を培い、豊かな人間性を育むために、食育を計画的に推進することを目的としています。ではなぜ、食育基本法は誕生したのでしょうか。その背景から、日本の食における課題が見えてきます。

生活習慣病の増加

ライフスタイルの変化や、食の外部化などにより、私たちの食生活は大きく変化してきました。共働き世帯も増加し、家庭で調理方法や食に関するマナーなどを伝える機会も減っています。そのため、食についての正しい知識を有していない人が増加し、朝食の欠食や、栄養バランスの乱れ、脂肪の過剰摂取、野菜の摂取量の低下、不規則な食事の増加、コショク(孤食、個食、固食、粉食、濃食など)など、様々な問題を引き起こしています。

食習慣の乱れは、生活習慣病の増加につながります。保護者が、子どもたちの食生活を把握することが難しくなっていることから、最近では、生活習慣病の低年齢化も問題となり、「小児生活習慣病」という呼び方まで誕生しました。糖尿病、高血圧症、高脂血症などは、投薬だけでは根本的な解決にはつながりません。定期的に運動し、食生活を見直すことが、生活習慣病の最も効果的な予防法となります。生活習慣病の予防という観点からも、食育の重要性が高まっているのです。

食品の安全を脅かす問題

毎年のように、食品の安全を脅かす問題が発生するため、食品の安全性について不安を感じている人は少なくありません。食に関する情報は、インターネットや雑誌、テレビなどを通じて見聞きする機会が増えています。しかし。情報が氾濫しすぎていることにより、どの情報が信頼できるのか、どの食品が安全なのか、何が身体に良くて何が悪いのかが一層分かりにくくなっています。そのため、食育を通じて、食のあり方を学び、信頼できる情報を見抜く力を養うことが必要となっているのです。

農薬や食中毒、遺伝子組み換え食品、食品添加物など、様々な要因から、人々は食の安全性に不安を感じています。子どものうちから学びを深め、1人1人が食品の安全性について関心をもつことが求められています。

食料自給率の低下

食料の海外への依存度が高まり、日本における食料自給率は長期的に見て低下傾向にあります。野菜や果物は国内生産額が増加していますが、自給率の高い米の消費が減少しています。平成28年度の食料自給率は、カロリーベースに見ると38%、生産額ベースに見ると68%です。これは、主要先進国の中でも最低レベルです。カナダやオーストラリア、アメリカ、フランスなど輸出が多い国は、食料自給率が100%を超えています。

私たちが安心して食生活を営むためには、食料が安定的に確保されなければいけません。世界的に見た人口の増加や、地球温暖化による異常気象などによる生産の減少によって、海外から食料を安定して輸入し続けることが難しくなる可能性があります。食育を通じて、人々の食に対する関心を高め、生産者と消費者の距離を縮めることによって、食料自給率の向上を図っていくことが期待されます。

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