前文から分かる食育基本法の目的とは

約 1 分

食育基本法はなぜできたのか

食育基本法が制定された理由を簡単に説明すると、食の安心・安全が危険な状態にあることや、食生活の乱れによる生活習慣病が増加傾向にあったことが原因です。

こうした原因を回避し、国民が生涯にわたって豊かな生活を送るためにも、正しい食の知識を身につけるための食育基本法が制定されました。

前文からみた食育基本法の目的を以下にまとめました。

なぜ子どもに食育が必要とされるのか

保育園や幼稚園、小中学校などの教育現場や家庭において、なぜ食育が必要とされるのでしょうか。食育基本法の前文を読んでみると、

「子どもたちが豊かな人間性をはぐくみ、生きる力を身に付けていくためには、何よりも「食」が重要である。今、改めて、食育を、生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎ともなるべきものと位置づけるとともに、様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てる食育を推進することが求められている。」

といったくだりがありました。この文章から分かるのは、食べるということは単に丈夫な体をつくるためだけでなく、心や体の成長や人格の形成にも影響を及ぼすということです。

私たちは1日3食、毎日当たり前のように食べているご飯ですが、生きるためには食べることが基礎ということを忘れがちです。安価で美味しいファストフードやスナック菓子ばかりでは栄養が偏り、肥満や生活習慣病を引き起こす原因となります。

このような事態にならないためにも、子どもの頃から健全な食生活を実践できるよう、正しい食知識と判断力を身につけることが望ましいのです。

忘れられがちな食の重要性

食育を学ぶにあたり、「食の重要性を忘れられている」といった言葉をよく投げかけられます。これは一体どういうことなのでしょうか。食育基本法の前文を読んでみると、

「国民の食生活においては、栄養の偏り、不規則な食事、肥満や生活習慣病の増加、過度の痩身志向などの問題に加え、新たな「食」の安全上の問題や、「食」の海外への依存の問題が生じており、「食」に関する情報が社会に氾濫する中で、人々は、食生活の改善の面からも、「食」の安全の確保の面からも、自ら「食」のあり方を学ぶことが求められている。」

といったくだりがありました。先ほども少し触れましたが、過度の添加物や偏った栄養などは肥満や生活習慣病を引き起こす原因となります。これは子どもだけでなく大人にも言えることです。食の安全を確保するためにも改めて自分たちの食生活を見つめ直し、反映させていく必要があります。

また、先人から受け継がれてきた地域の郷土料理も失われつつあります。自分が住んでいる地域で採れた旬の食材を活かした郷土料理というのは、私たちの季節の変化についていくためにも必要な栄養素です。旬の食材は新鮮なものが安価で手に入るのも魅力ですので、生活に取り入れるようにしましょう。

消費者と生産者を結ぶ食の循環

もう一つ、前文にはこのようなくだりがありました。

「国民の「食」に関する考え方を育て、健全な食生活が求められるとともに、都市と農山漁村の共生・対流を進め、「食」に関する消費者と生産者との信頼関係を構築して、地域社会の活性化、豊かな食文化の継承及び発展、環境と調和のとれた食料の生産及び消費の推進並びに食料自給率の向上に寄与することが期待されている。」

食べ物が私たちの口に運ばれるまでは、数多くの生産者から流通業者へ、そこから販売業者の手に渡り、私たち消費者が購入し、調理をしたのちに食卓まで運ばれます。こうしてみても、私たちの食にはたくさんの人たちが関わっているのです。

そして、調理時に出た生ゴミや食べ残しなどの一部は肥料としてまた再利用されるため、食は循環していることが分かります。こうして私たちの食は多方面で支えられているのです。

食べるという行為は、私たちの体づくりのためだけでなく、いきものの生命や、たくさんの人の想いがつまっているということを、今一度見つめ直す必要があります。

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