食育基本法が制定された背景

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食育基本法が制定された背景

2005年に食育基本法が制定された背景には、栄養の偏りやこ食などの不規則な食事、肥満や生活習慣病の増加、食に関する安全問題や海外依存、伝統的な食文化の喪失などが挙げられます。これらをもう少し掘り下げてみていきましょう。

食の海外依存の増加

日本は1960年代に入ると、高度経済成長期を迎えました。これにより、米や野菜、魚を中心としていた食卓には、ミルクとパンという組み合わせの食が登場するようになったのです。その理由は、学校給食が全国各地でスタートしたことでした。

これによって食の洋風化が急速に進み、米の消費量が減少するのに対し、肉や乳製品の需要が増加します。こうして栄養バランスのとれていた日本食は少しずつ食卓から姿を消していったのです。

こ食に伴う不規則な食事

こ食とは、1人で食事をする「孤食」、好きなものだけを食べる「固食」、同じ食卓を囲んでいるのにバラバラなものを食べる「個食」、少量しか食べない「小食」、粉ものを中心とした「粉食」、濃い味ばかりを食べる「濃食」、子どもだけで食べる「子食」の7つのことをいいます。

筆者が食育の勉強をしていた時はこの7つだったのですが、調べてみると、外食ばかりする「戸食」や、朝食欲がなく何も食べたくない「虚食」の2つを追加している保健センターもありました。

こうした食生活の乱れは、体の栄養や健康だけの問題ではありません。性格、態度、行動、すべてに大きな影響を及ぼすおそれがあるのです。

伝統的な食文化の喪失

安価で美味しいファストフードや、手軽に調理することのできるインスタント食品、冷凍食品など、食のスタイルはこれまでと大きく変わりました。確かに便利ではありますが、家庭で調理すること自体が減ってしまったり、家庭の外に自分たちの食生活を頼るようになってしまったのです。

こうして伝統的な食文化に関心を持つ若者が減っていき、近年の日本では食べることの意味や重要性が忘れられているのが現状です。簡単に美味しい食事が手に入る時代ではありますが、過剰な添加物など心配な部分もあります。しかし、まだ若くて体に影響が出ていないために食への関心が薄れているのかもしれません。

このように、食育基本法が制定された背景には、食に関連するたくさんの問題が挙げられているのです。

各国で行われている食育活動

日本では食育基本法を基に食育推進に広く取り組んでいますが、それは海外でも同じことのようです。

例えばアメリカでは、児童に栄養のある食事を提供させたり、売れ残ってしまった農産物を学校給食へと活用する取り組みをしています。また、「ファイブ・ア・デイ運動」と呼ばれる、野菜や果物を日に5品以上摂取する運動や、「Fight BAC!」と呼ばれる、ばい菌をやっつける食の安全教育なども行われていました。

さらに、イギリスでは子どもの健全な食生活の推進、イタリアではスローフード運動と呼ばれる郷土料理を守る運動、韓国では自産自消運動、シンガポールでは日常的な運動や健全な食事などのプログラムキャンペーン運動など、日本と同じような食育活動がされていました。

このように、食育は日本のみならず、世界各国でも重要視されていることがわかります。

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