歯科保健に関する食育

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歯科保健に関する食育

近年、子どもの虫歯の数の本数はかなり減っています。これは、予防歯科の普及やフッ素入りの歯磨き粉の浸透、保育園や幼稚園におけるフッ素加工物洗口の効果の現れだと考えられています。しかし、逆に増えているのが「歯並びの悪い子ども」です。歯並びがガタガタしているケースや歯同士がかみ合っていない開咬と呼ばれる状態など不正歯列、不正咬合のケースが増えています。
なぜ、歯並びの悪い子が増えているのでしょうか。それは「食べ方」は要因の一つと言われています。柔らかいものばかり食べていることで、歯の周りの骨の成長が不十分になり、口の周りの筋肉が緩み、歯が正常な位置を保てなくなってしまうからです。その意味で、「噛むこと」というのはとても大切な役割をしていることがわかります。

食べ方の重要性

噛み方、飲み方、味わい方などの「食べ方」は、食育の重要な部分を占めます。食べ物を口にした時の味や匂いや刺激、食べることによって得る知識や体験や感動なども、食育にとって大切な要素です。食べ物と食べ方の知識と体験があって初めて、食は健全な心身を養う糧となり、豊かな人間性を育むことができます。小児期(幼児期・学童期)からの食育では、「食べ方」を含めた食習慣づくりが大切なのです。

歯科保健と食育の関わり

平成21年7月に厚生労働省から出された「歯科保健と食育のあり方に関する検討会」の報告書「歯・口の健康と食育~噛ミング(カミングサンマル)では、食育の今後の方向性が示されています。報告書によると、食を通して健康寿命を延伸するためには、その基盤となる小児期から高齢期に至るまで食べる器官で ある口腔の健康と関連させて健康づくりの視点から「食育」を推進していくことが重要であること、地域における食育を推進するための一助として、より健康な生活を目指すという観点から、ひとくち 30 回以上噛むことを目標として、「噛ミング 30(カミングサンマル)」というキャッチフレーズを作 成し、歯科保健分野からの食育を推進することが望まれることの二点が歯科保健としての共通認識となりました。

食育推進に向けた今後の取り組み

歯科からの食育では食べ方の特徴から以下の3ステージに分けて食育の推進を図ることになっています。
①小児期では、歯・口の機能の発達状況に応じた支援
②成人期では、食べ方による生活習慣病対策に関わる支援
③高齢期では、口腔機能の維持の支援や機能減退による誤嚥・窒息の防止を始めとする安全性に配慮した支援
つまり、各ステージに応じた食べ方の支援が必要とされています。さらに近年は、食品自体が多様性に富んできていることを考慮して、食品の物性に応じた食べ方支援も必要とされています。
歯科保健の領域で推進される食育の中核は、「口」から摂取する食品に応じた咀嚼と嚥下を行う「食べ方」にあります。十分に歯・口を使う「食べ方」を通した食育への拡がりは、身体の栄養のみならず 味わいや心のくつろぎ、表情の表出など多面的です。このような拡がりを意識した「食べ方」支援を中心に据えた食育を推進する取り組みが歯科保健の領域の課題と考えられます。

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