食育の取り組み【フードバンク】

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食育の取り組み【フードバンク】

まだ食べられるのに様々な理由で捨てられてしまう食品を受け取り、食品を必要としている組織や個人につなげる活動が広がりを見せています。「フードバンク」と呼ばれる活動です。今回は、フードバンクの活動を食育の観点から考えていきたいと思います。

フードバンクの現状

現在、日本には約40のフードバンク活動団体が存在していると言われています。その活動目的によって「生活困窮者救済型」「食品廃棄削減型」「地域活性型」「その他」に大別されます。割合は、順に57%、32%、8%、3%となっています。この中でも特に「食品廃棄削減型」フードバンクは食育の観点からも更なる活動の充実が望まれます。

もったいない!日本の食品廃棄

消費者庁のまとめによると、日本では年間2842万tもの食料が廃棄されているそうです。そのうち売れ残りや食べ残し、期限切れの食品など、本来ならば食べられるはずだった食品の廃棄量(いわゆる「食品ロス」)は646万tとされており、この量は世界中で飢餓に苦しんでいる人々に向けた世界の食糧援助量320万tの約2倍、国民1人あたりにすると毎日ご飯茶碗1杯分の食料を廃棄している計算になります。そして、現段階で日本のフードバンクが取り扱う食品の総量は約1500tと極めて少ないのが現状です。

フードバンク=食の「reuse」

資源再利用の3R「reduce(減らす)・reuse(再利用)・recycle(再資源化)」がありますが、フードバンクの活動は「reuse」にあたります。reuseと言っても扱う食品は賞味期限が一定期間以上のものとするなど、利用者の健康管理にはきちんと配慮された上で運営されています。主な取り扱い食品は、賞味期限間近の食品、レトルト食品、飲料、流通上のルールによって規格外とされてしまった食品、野菜や果物などの生鮮食品については、規格外で出荷できないものや個人や民間団体などからの寄付金によってまかなわれているケースが多いそうです。

食育の観点からみるフードバンク

フードバンクの活動は、食品の生産、流通などに関係する生産者、関連企業、地域などが関わっており、その活動は食育基本法の理念に合致していますが、食育の観点からみると、まだまだ積極的な活動が展開されているとは言い難いのが現状です。また、取り扱い食品の状況により栄養的な偏りも1つの課題とされています。今後のフードバンクの活動を食育の一環としてより充実したものにするためには、管理栄養士などの専門家が介入し、栄養の偏りの改善対策をはじめ、フードバンクに関わる人たちに対し、栄養学的な知識や食育についての認識を身につけてもらえるような働きかけが有効なのではないかと思われます。また、子供たちに対しても、フードバンクの取り組みを伝えることは、食品の流通や廃棄の現状を知る機会となり、そこから「食材を無駄にしない、大切にする心」を養うことにつながります。

食育基本法とフードバンク

食育基本法で「国民一人一人が食について改めて意識を高め、自然の恩恵や食に係る人々の活動への感謝の念や理解を深める」と謳われていることに基づき、その一環としてのフードバンクの取り組みが広く普及するように、理解を深め関係各所においての推進の努力が望まれます。

参考文献:「わが国におけるフードバンク活動の実態と食育の観点から見た課題」佐藤みずほ・中野冠 日本食育学会誌 2016.1

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