食育基本法の前文から「食育」を考えてみよう

約 1 分

平成17年(2005年)7月15日に施行された食育基本法は、まさに日本における「食育」の始まりでした。
日本ではそれまでも「食」が国民にもたらす影響について、主に有識者が問題提起し、議論を重ねてきましたが、この法律の制定により、この取り組みは官民一体となり進めていかなければいけないものだと認識を新たにしました。

すべての国民が対象ということ

食育基本法ではその前文で、「すべての国民」が心身の健康を確保し、生涯にわたり生き生きと暮らすことができることの重要性を、一番初めの文章に入れています。
さらに、食育が「あらゆる世代」の国民に必要なもの、と明記し、それは生きる上での基本であり、知育、徳育及び体育の基礎となるべきものと位置付けました。

子どもたちに対する食育の重要性

その中で、特に子どもたちに対する食育について、生涯にわたり健全な心と身体を培い豊かな人間性を育んでいく「基礎」となるものだと定めています。
これは、今まであまり関連が指摘されなかった教育や人格形成などに関しても、「食」が子どもたちに大きな影響を及ぼすということを改めて確認したものとなっています。

ライフスタイルの変化に伴う国民の食生活

食育基本法はその前文の中で、食生活の欧米化などが原因と思われる肥満や栄養の偏りによる生活習慣病の増加や、多忙な生活の中で生まれる「不規則な食事」や過度な「痩身志向」に対して警鐘を鳴らし、国民自らが「食」のあり方を学ぶことが求められていると明記しています。
インターネットなどで氾濫している「食」に関する情報の中から正しいものを選ぶ知識や、汚染物質や添加物などが含まれた加工品などから自分の身体を守る目を養うことが、これからの社会を生きていくうえで私たちにとって重要であるということですね。

失われつつある日本の食文化に対する警鐘

和食ブームなどといわれる近年においても、先人から継承されてきた日本独自の食文化は失われつつあるといわれています。
日々忙しい生活を送る中、地域独自の食習慣や食べ物、四季折々の行事食などが変化という名のもと、衰退に進んでいる現状があります。
日本の財産である豊かな緑と水、美しい季節の移り変わりの中にある味覚や文化を、私たちが改めて感じて知ることで守っていこうという取り組みも「食育」の一部なのです。

食育を国民運動に

難しい言葉がたくさん並んでいるようですが、この食育基本法の基本理念は「二十一世紀における我が国の発展のため」に国民が心身ともに健康で、健全な食生活を送れることにあります。
「食」に関して信頼できる情報に基づく適切な判断を行う能力を身に付け、健全な食生活を実践するためには国だけでなく、家庭、学校、保育所、地域などが中心となり、日々の生活の中で取り組んでいくことが大切だということも、この法律で再確認した大切な部分ですね。
さらには、私たちの取り組みが、海外との交流などを通じて国際貢献に繋がることへも期待していきたいと書かれていますが、これは本当にこれからの日本にとって非常に大事なものになるでしょう。
大きな問題のひとつとされる我が国の食糧自給率の向上には、関係する国それぞれと日本の農山漁村との相互理解が不可欠なのです。

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