食育基本法の5つの目標から考えてみよう①~心身の健康~

約 1 分

私たちが食事をする一番の理由はもちろん、エネルギーの確保です。
人間は自分でエネルギーを生産することができないので、生きていくため、活動するために食事をすることは不可欠です。
では、必要なエネルギーを機械的に摂取するだけで問題ないのでしょうか。
私たちは空腹を感じて食事をすることで食欲が満たされるわけですが、独りで、もし無機質なエネルギー飲料だけを摂取するだけだったら、どうでしょう。例えその飲料がおいしい物であっても、そのおいしさを伝える相手がいないことで味気ないものになってしまいますよね。

コミュニケーションの大切さ

同じ食事をしても、ただ体に入れるのと、「おいしい」「楽しい」という気持ちで味わいながら食べるのとでは、栄養の吸収率が違うことをご存知でしょうか。
私たちの脳は、食事をする際に感じる「おいしい」という刺激により胃酸や消化酵素などを分泌して、栄養を効率的に吸収するようになるのです。
テレビを見ながら食事をしている家庭は多いと思いますが、テレビの内容に夢中になってしまうと食事の内容に無関心になってしまいます。特に子どもは、今食べているものは何か、いつもより甘いのか辛いのか、ということにも気付けなくなります。
これでは、どんなに栄養を考えた食事を用意しても、無駄になりかねません。

病気を予防する食生活

正しい知識を持って自分の身体に必要な内容の食事をすることは、心身共に健全な肉体を作り上げるだけでなく、生活習慣病を予防し、ウイルスや菌などからの抵抗力を高めるのに有効な手段です。
もちろん病気にかかってしまった場合は、専門家に食事内容を委ねなければならないこともありますが、多くの生活習慣病は、毎日の食習慣によって予防することができます。
糖尿病、脳血管障害、心疾患などは、運動不足やストレス過多、睡眠不足や喫煙などの要素が関係していますが、直接の原因の6割近くは食事にあるのではないかと言われています。

認知症の予防にも

食習慣で予防の効果が期待できるのは、生活習慣病だけでなく、それが原因と考えられている認知症です。医療技術の向上により私たちの寿命も長くなっていますが、老後を心身共に健康で楽しんで過ごせるかどうかは日頃の、もっと厳しく言えば子どもの頃からの食習慣にかかっていると言えるでしょう。

健康的な食事とは

生活習慣病の代表格ともいえる糖尿病は、体質などの遺伝的な要因もありますが、暴飲暴食や不規則な食生活にその原因があると言われています。
また、命に関わる狭心症や心筋梗塞、脳卒中などを引き起こす原因である高血圧の引き金となるのは、食事中に含まれる塩分の量にあります。毎日三食、きちんと食事をすることや、塩分の摂りすぎや栄養の偏りなどに気を遣うことで、予防したり症状を緩和したりできるということです。

理想の食習慣とは

平成12年(2000年)に農林水産省、厚生労働省、文部科学省の3省が共同して策定した「食生活指針」によると、理想の食習慣として以下の10項目が挙げられています。
1、 食事を楽しむ
2、 1日の食事のリズムから、健やかな生活リズムを。
3、 主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。
4、 ご飯などの穀類をしっかりと。
5、 野菜・果物・牛乳・乳製品・豆類・魚なども組み合わせる。
6、 食塩や脂肪は控えめに。
7、 適正体重を知り、日々の活動に見合った食事量を。
8、 食文化や地域の産物を活かし、時には新しい料理も。
9、 調理や保存を上手にして無駄や廃棄を少なく。
10、 自分の食生活を見直す。
身体によいとわかっていても、なかなか実現できないものもありますが、まずは知識として自分の中にあれば、これからの生活の中で少しずつ実践していけそうですね。

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