食育基本法の5つの目標から考えてみよう②~食べ物への感謝~

約 1 分

私たちが食事の際に口にする「いただきます」「ごちそうさま」の言葉の意味を知らない人はいないと思います。でも、本当に心から「いただいた」こと、「ごちそう」になったことに感謝をしているでしょうか。私たちは忙しい毎日の中で、その意味を忘れつつあるかもしれません。

「いただきます」の意味

「いただきます」は、敬意を示して頭上に「おしいただく(捧げ持つ)」という同意味の言葉が由来と言われています。
料理を作ってくれた人、準備してくれた人たち、更にはお米や野菜を作ってくれた人、魚を獲ってくれた漁師さん、食肉や乳製品に関わる家畜を育ててくれている酪農家さんなどへの感謝の気持ちが、この短い単語に込められているはずです。
そして忘れがちなのが、食べ物にはみな命があるということ。忘れがちですが、お米も野菜にも命があります。
すべての命をいただき、その命を繋いでいるということに感謝の気持ちを表した言葉であることを、常に意識したいものです。

「ごちそうさま」の意味

「ごちそうさま」の「馳走(ちそう)」は、客の食事を、あちこち走り回って用意するという意味から、「もてなし」の意味が含まれています。
このような苦労をして食事を用意してくれた人に対して感謝の気持ちを込め、「ご」と「様」をつけて「ごちそうさま」というようになりました。
日本では、江戸時代の後半頃から食後の挨拶として定着していたようです。

食品ロス大国の日本

「いただきます」「ごちそうさま」の感謝の言葉を持つ私たち日本人ですが、経済力を持った国が抱える問題として、多くの食品を廃棄しているという現状があります。
日本では推定で年間約621万トンの食品ロスが発生しています。この数字を分かり易い数字にすると、国民1人が毎日おにぎり1個分のおにぎりを捨てる計算です。
たった「おにぎりひとつ」と思いがちですが、これは国際機関による途上国への食糧援助量の約2倍にあたります。つまり私たちは、食糧援助をしながら、その2倍もの食糧を毎日捨てているのです。
また、家庭から発生する食品ロスは全体の、実に約半分にあたるというから、驚きですね。

食品ロスの原因

一般家庭での食品ロスの要因は「鮮度が落ちた、腐敗した」「賞味期限切れ」「作りすぎて残ってしまった」「人からいただいたが好みではなかった」などがあげられます。
食糧難の時代を経験した高齢者のいる家庭では食べ残しが少なく、若い世代の2人世帯で最も食品ロス率が高いという調査結果も出ています。
私たちが少し意識をして大切な命を持つ食糧を無駄にしないよう意識することで、食品ロスは減らしていけると考えられます。

大手企業や外食産業での取り組み

食品の賞味期限は「おいしく食べられる」期限を表していて、それを過ぎてしまってもすぐに食べられなくなるわけではありません。
期限を1日過ぎただけで廃棄処分を余儀なくされる慣習が食品ロス増加の原因のひとつと言われてきたことを受けて、「年月日」で表していた賞味期限を「年月」のみで表示する動きが、飲料だけでなく加工食品にも広がっています。
大手の食品メーカーが既に切り替え済み、もしくは切り替え始めていることを受けて、小売り側も食品ロスを減らす方法として、企業内でルールの改定や変更を始めました。
私たちがスーパーマーケットで目にする値引き商品、いわゆる「見切り品」に、「もったいない」「フードレスキュー」と記したシールを貼ることで、消費者の私たちにも問題意識をもってもらい、同時に売れ残り(廃棄)する食品を減らそう、といった取り組みも広がっています。私たち消費者も、常に「もったいない」という意識で、賞味期限だけでなく自分の目や鼻を使って食べ物の選別をしたり、保存方法などの工夫で、食品ロスを減らしていきたいものですね。

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