1 まいたけの起源・由来
まいたけは、トンビマイタケ科マイタケ属に属するきのこです。
まいたけの原産地は不明ですが、アジアやアメリカ、ヨーロッパなどの温帯以北に分布していて、日本にも自生していました。
古い記録としては、食べると無意識に踊ってしまうきのことして、平安時代末期の「今昔物語集」に登場していますが、文末に「近頃、まいたけというきのこはあるが、これは食べても踊りださない」とも書かれているので、「踊るまいたけ」のほうはワライタケ(笑茸)だったと考えられます。また「食べても踊らないまいたけ」が現在のまいたけと同じものかどうかはわかりませんが、名前はすでに存在していました。
江戸時代の「大和本草」では、菌類の項目で「舞タケ」が紹介されています。特徴がよく似ているため、ここに書かれているものは現在のまいたけと同じものと考えられます。いずれにしてもまいたけは数が少なく貴重な存在で、一般的に食べられていたわけではないようです。
1983年頃から大量に人工栽培されるようになり、一般家庭に普及しました。
名前の由来は、まいたけ(まいたけ)で、黒褐色の笠が重なりあう様子から、舞にたとえて、マイタケの名になったという説や、深山でマイタケを見つけて、嬉しくて、喜んで踊ったことからついたという説があります。
2 まいたけの種類
まいたけの野生種は流通が少なく、人工栽培されている物が一般的に流通されています。栽培方法としては、原木に菌を植え付けて作る原木栽培と、おがくずを利用した菌床栽培があります。原木栽培の方が香りや味が野生種に近いです。
一般的なまいたけは、カサの部分が灰褐色〜濃い茶褐色で、平たい扇状のカサがいくつも重なっています。香りがよくシャキシャキとした独特の歯ごたえが特徴です。天ぷらや炒め物、汁物などさまざまな調理に利用できます。
白まいたけは、普通に売られているまいたけとほぼ同じ形をしていて、色が真っ白または少しクリーム色がかっているもので、近縁種になります。通常のまいたけの場合、煮汁が茶色くなってしまいますが、白まいたけは色が出ないので、クリームシチューなど白く仕上げたい料理などにも使いやすいきのこです。
3 まいたけの栄養・効果
まいたけは様々な栄養素をバランス良く含み、最近は健康食材としても注目を集めています。
カルシウムの吸収を助けるビタミンD、代謝を促す効果が期待でき二日酔い防止にもなると言われるナイアシンなど、貴重なビタミンが豊富です。
きのこ類に含まれる「エルゴステロール」は日光に当てるとビタミンDに変わります。
また、抗酸化力や免疫力を高めるとされる「ベータグルカン」と呼ばれる成分を含んでいて、ガン予防や生活習慣病予防に効果が期待できるとして注目を集めています。ベータグルカンは熱には強いですが水溶性なので、煮物や鍋物に使った時は汁までいただけるような薄味を心掛けると、効率よく摂取できます。
4 まいたけの選び方・保存方法
かさが肉厚でしっかりして割れていないもの、軸が白くピンとしているものが新鮮です。
湿っていたりべとついているものは避けます。
パックのままか新聞紙などで包んでポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存します。
小分けにして冷凍保存も可能です。冷凍のまま使用できます。
たくさん手に入った時は2〜3日天日に干すと、旨みが強くなり保存も効くようになります。
5 まいたけのまとめ
まいたけは、炊き込みご飯・おみそ汁・お吸い物によく使います。天ぷらもとても美味しくいただけます。
煮物・お鍋にも欠かせない食材です。
他のきのこと一緒にカレーライスにもします。きのこのカレーは残ったらカレーうどんにして二度楽しみます。(あまり、カレーが残る事はありませんが。)
まいたけを細かく切って、豚ひき肉と一緒に炒めて、肉みそも作ります。ご飯にのせて食べても美味しいですが、冷ややっこのトッピングにたしり、ふろふき大根にかけたりするのもとっても食が進みます。冷たい中華めんにのせれば、ジャージャーめん風にもなります。
まいたけと牛肉を一緒に甘辛く煮るたものは、常備菜として、大活躍してくれます。お弁当のおかずにもぴったりです。