1 しその起源・由来
しそは、シソ科シソ属に属する香味野菜です。
しそは中国からヒマラヤにかけての地域が原産地といわれ、中国では古くから薬草として利用されていました。日本には中国から伝わったとされ、全国各地の縄文遺跡から種実が出土しています。縄文時代の遺跡から種子が発見され、平安時代にはすでに栽培が始まっていたと言われています。
昔中国の若者が食中毒を起こして、死にかけていましたが、薬草を煎じ、紫の薬を作り服用したところ、若者はたちまち健康を取り戻したそうで、「紫」の「蘇る」薬だというので、この薬草を「紫蘇」というようになったと言われています。
2 しその種類
しその種類は、大きく分けると、葉が緑色をした青じそと、紫色をした赤じそに分けられます。「紫蘇」という漢字からもわかるように、本来の種は赤じそで、青じそはその変種になるそうです。
成長段階に応じて、芽や葉、花、実まで、すべてが利用されます。
「青じそ」は、「大葉」とも呼ばれ、葉が緑色で香りが強いのが特徴。「赤じそ」の変種で、フチがギザギザしていて丸みのある形をしています。葉の表面が縮れているものは「ちりめん青じそ」と呼ばれます。
「赤じそ」は、葉が赤紫色のしそで、梅干しや漬け物の色づけに利用されることが多く、ふりかけの「ゆかり」の原料としても使われています。また、青じそと同様、葉の表面が縮れているものは「ちりめんじそ」と呼ばれ、葉の片面だけが赤くてもう片面が青色の「片面じそ」というものもあります。
「芽じそ」は、しその若い芽のこと。赤じその芽は「紫芽(むらめ)」、青じその芽は「青芽(あおめ)」と呼ばれ、いずれも刺身のツマや薬味などに利用されます。
「花穂じそ」は、しその花穂の部分で、花軸の3割ほどが開花した状態のものを「花穂じそ」といいます。香りがよいのが特徴です。
「穂じそ」は、「花穂じそ」の花が終わって実が未熟なうちに収穫したものです。
3 しその栄養・効果
しそにはβカロテンが豊富に含まれています。βカロテンには抗酸化作用のほか、皮膚や粘膜を丈夫にする作用があるといわれます。また高血圧予防によいとされるカリウムや、造血作用のある葉酸、骨にカルシウムを沈着させる働きのあるビタミンKなども多く含まれています。
ビタミンCやB1、B2などのビタミン類、鉄や亜鉛、カルシウムなどのミネラル類も豊富に含まれています。
しその香りは主にぺリアルデヒドと呼ばれる芳香成分によるもので、強い防腐・殺菌作用を持っています。更にこの香りにより食欲増進効果や健胃作用もあるといわれています。
また赤じそに含まれる色素成分のアントシアニンには抗酸化作用があるといわれます。
4 しその選び方・保存方法
青じそ(大葉)は葉に張りがあり全体にみずみずしさがあり、また葉の色が濃く、香りの強いものを選びます。
赤じその見分け方も同様で、香りがよく葉に張りがありものがおすすめです。
青じそは乾燥に弱いので、保存するときは水で湿らせたキッチンペーパーに1枚ずつ挟んでポリ袋にいれるか、コップや空き瓶に水を入れ、軸の切り口をひたした状態で冷蔵庫で保存すると、比較的長持ちします。
赤じそもポリ袋に入れるなどして冷蔵庫の野菜室で保存します。大葉よりも葉がしなびやすく日持ちしないので、なるべく早く使います。
5 しそのまとめ
赤じそはあまり使うことはありませんが、青じそはとてもよく使います。
お刺身のつまや、そうめん・冷ややっこのトッピングには、欠かせません。肉や白身魚などに挟んでフライにしたりしても美味しいですよね。
エビの春巻きにもつかいます。
エビはからをむいておきます。とろけるチーズも準備します。春巻きの皮の上に大葉をのせてその上にエビ、とろけるチーズをのせて包みます。あまりギュッとまかないのがポイントです。後は揚げるだけです。お塩やチリソースで頂きます。チーズがとろけて大葉の風味もよく、ビールにとってもあいます。
大葉は、一度育ててそのままほかっておくと、種がまわりに落ちて、翌年もかってに芽が出て育ってくれます。買わずにすむので大助かりです。