1 シシトウの起源・由来
シシトウは、ナス科トウガラシ属に属するとうがらしの甘味種「甘唐辛子」の一種です。
とうがらしは中南米が原産地で、15世紀にコロンブスによってスペインにもたらされました。その後ヨーロッパの涼しい環境で辛味の少ない品種が誕生したといわれています。
日本へは16世紀に辛味のあるとうがらしが伝来しました。江戸時代には辛味のあるとうがらしは栽培されていました。明治時代になると、欧米から甘味種が導入されましたが、しばらくは定着せず、一般に広まったのは第二次世界大戦後です。
ししとうの名前は、デコボコした形が獅子の顔をイメージさせることから名付けられたと言われています。
2 シシトウの種類
一般的に流通している「ししとう」は、皮が緑色で5〜6cmほどの細長い形をしています。見た目は青唐辛子のようですが辛味は少なく、特有の香りとかすかな苦味があります。炒め物や天ぷら、素揚げなどにするのがポピュラーな食べ方です。時々、辛味の強いものが混ざっていることもあります。育つ環境や受粉の状況によるようです。
京野菜のひとつである「伏見甘長とうがらし」は、江戸時代から京都府伏見地区で栽培されていた大型で細長い甘味種です。大きいものは長さが15cmほどにもなります。肉質はやわらかくて辛味はほとんどありません。
同じく京野菜の「万願寺とうがらし」は、「伏見甘長とうがらし」とピーマンの一種である「カルフォルニア・ワンダー種」を掛け合わせて生まれたとされ、肉厚でやわらかくて辛味は少なく、ほんのり甘みがあり種が少ないのが特徴です。
「ひもとうがらし」は、奈良県で古くから主に自家消費用として作られてきた在来種で、伏見とうがらしとしし唐との交雑種を選抜されてきたものとされています。伏見甘長とうがらしのように細長い形をしていますが、伏見甘長とうがらしよりも細く、太さは5~6mm程しかありません。実は柔らかく辛みはほぼ無く、て唐辛子特有の清々しい香りが広がります。
3 シシトウの栄養・効果
ししとうは、ビタミンがたっぷり含まれる食材です。特にβカロテンが豊富に含まれ、抗酸化作用でアンチエイジングやガン予防が期待でき、髪や肌を健康に保つ作用もあります。βカロテンと並び強い抗酸化作用をもつビタミンEもたくさん含まれています。動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病の予防に良いだけでなく、美肌を保つためにも大切な栄養素です。ビタミンCも豊富で、免疫力アップや風邪予防、美肌効果などに期待できます。
たんぱく質の代謝に関わりエネルギー源とするビタミンB6、脂肪燃焼や血行促進作用のあるカプサイシンも含まれています。
4 シシトウの選び方・保存方法
鮮やかな緑色をしていて艶があり、さわった時に張りがあり、柔らかい弾力を感じるものを選びます。触って固く感じたり、軸の切り口が茶色く変色している物は鮮度が落ちていので避けるようにします。
大き過ぎるものは育ち過ぎで風味が落ちているので、なるべく小ぶりなものを選びます。
たまに、辛いものがありますが、見た目での判断は難しいのですが、種が少ないもの、皮の色が黒っぽい緑色のもの、形がいびつなものは辛味が強いことがあります。
乾燥に弱いので新聞紙などで包んでポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。ししとうは、暖かい環境で育った野菜なので、冷蔵庫の低温化に長時間入れておくと低温障害を起こし傷みやすくなるので、早めに使い切ります。
5 シシトウのまとめ
ししとうは天ぷらで食べるのが好きです。夏のバーベキューでは定番野菜のひとつです。炒め物にも使います。
実家でも甘長とうがらしを作っていて、よくもらいます。他の夏野菜と一緒に夏野菜カレーにも入れています。
炒め物にも甘長とうがらしはよく使いますが、たまに辛い物があったりするので、スリルを感じながら子どもたちは食べています。日頃の行いが悪いせいかはわかりませんが、何故か息子はよく辛い甘長とうがらしにあたります。当たった後2・3回は甘長とうがらしを食べようとしません。一番下の子が当たった時は大変です。「からいー!!」と慌ててお茶を飲むのですが収まらず、半べそをかきながらご飯を口の中に放り込んでいます。そんな時私は横でにやにや見ています。