
五感とは、視覚、味覚、触覚、聴覚、嗅覚を指します。人間の感覚を表すものですが、私達は食事をする時にも無意識にこの五感をフル活用しています。目で見て「おいしそう」と思い、鼻で料理や食材の香りを楽しみ、手で触りその食材を感じ、耳で料理ができる音を聞き、舌で味を感じます。
この五感を意識して食べる事により、心身ともに満足した食事をとる事が出来ます。普段は意識しないこの五感を意識してみましょう。子どもはこの五感をとても繊細に感じながら食を知り、学んでいきます。子ども目線にたち、同じように感じる事、またそれを共有しあう事で、子どもの感覚はどんどん伸びていきます。
まず、バランスのいい食事を作る事にもつながる「視覚」から、食材の色の持つ特徴や具体的な野菜例をあげていきます。
食材の色の特徴
まず、食材の色は全部で7色あります。赤、黄色、緑、白、紫、黒、茶色です。色とりどりのものを見ると美しいと感じるように、食材もこれらの色を多く使う事により食欲を掻き立てる料理になります。野菜や果物また、それらの色には特徴があります。各色の特徴と食材は次のとおりです。
赤・・・細胞の形成を促したり、貧血予防などに役立ちます。
例:トマト・ビーツ・パプリカ・唐辛子・いちご・赤身の魚(マグロ、カツオなど)・赤身の肉など
黄・・・抗酸化作用があり、動脈硬化や老眼の予防、肺機能の工場、胃腸のぜんどう運動の促進、便秘解消などが期待できます。
例:にんじん・かぼちゃ・とうもろこし・玉ねぎ・レモン・バナナ・パイナップルなど
緑・・・抗酸化作用、疲労回復、消臭抗菌などが期待できます。
例:小松菜・ほうれん草・モロヘイヤ・ブロッコリー・アスパラガス・ピーマンなど
紫・・・抗酸化作用のあるポリフェノールが豊富です。
例:なす・ぶどう・ブルーベリー・紫キャベツ・黒豆・あずき・プルーンなど
黒・・・糖の吸収を抑えて血糖値を安定させるものが多く、ダイエットを意識する人に嬉しい食材です。
例:玄米・ごぼう・のり・黒ごま・ひじき・昆布など
白・・・体を潤す働きのものが多いく、特にナシは肺を潤す食材の代表で、咳止め効果もあります。
例:大根、レンコン、山芋、ナシ、白キクラゲ、白ゴマ、にんにくなど
茶・・・免疫力をUPさせる効果をもち、ダイエットにうれしい食物繊維を豊富に含んでいるのも特徴です。
例:きのこ、じゃがいも、ごぼう、さといもなど
これらを取り入れ、おいしくて栄養をたくさん摂取できる料理を作りましょう。また、抗酸化作用の強く、現在第7の栄養素と言われているファイトケミカルは野菜や果物の色の部分に多く含まれています。色を意識して摂取する事は、見た目においしいだけではなく体にとっても嬉しく、また必要なものなのです。
目で見て「おいしい」を作る
視覚、目で見る感覚ですが、毎日の食事はまず「目」から食べると言われています。目でその色や見た目を判断し、おいしそう、やまずそう、と感じます。特に子どもにとってそれは顕著に表れます。生涯にわたり幼少期の食への関心に深さが大切なので、見た目にもおいしそうな料理をぜひとも作りたいものです。「おいしそう!」「食べてみたい!」と思わせるような「美味しい」見た目でつくるという事も、食に興味を持つ食育につながります。
では具体的にどのようにすれば見た目をおいしそうに作る事ができるのか、ここではそのヒントをご紹介します。一回の食事で5色の色を取り入れましょう。赤、黄色、野菜の摂取にもつながるためまず最初に取り入れるのがおすすめです。白は白米やパン、うどんなどの主食で補えます。肉も茶色に含まれる為、主食、野菜、メイン料理をそろえると5色を使うという事は達成できます。そして黒ごまやひじきなどを添え、紫キャベツやナスで一品作ったり、ブルーベリーやプルーンのデザートを作ると、7色は実は簡単に取り入れる事ができるのです。
そして、このように5色以上の色を取り入れると野菜や果物の摂取量の増加にもつながり、バランスのいい献立になります。海外では5色の色を食事に取り入れる事が推奨されていますが、是非とも私達もそれを取り入れましょう。「目で食を楽しむ」これを料理を作る側も食べる側も意識する事も、食育につながります。