食育とは、”生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきものであること、様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てることとされています。
現代社会では、共働きの増加により、手軽に摂取できる食事が好まれる中で、子どもから大人まであらゆる世代で食育の知識を身に着けることが望ましく、食育の資格が重宝されると言えます。
そこで、食育の資格にはどのようなものがあるのかを紹介します。
食育健康アドバイザー
食育健康アドバイザーは 日本安全食料料理協会(JSFCA)が実施しています。
在宅試験で70%以上の評価を得ることで合格できます。 受験資格はとくにありません。 試験内容は、食育基本法、諸外国の食育に対する取り組み、食育と生活習慣病との関連性についてなどです。
受験料は10,000円(税込)で、試験は年6回、偶数月に実施されています。
食育健康アドバイザーは食育に関する基本的な知識を抑えることで資格を得ることができます。
食育への取り組みは多くの場所で広がっているため食育の知識のある資格保有者は求められています。
講師として活動することができ、食育の代表的な資格として人気のある資格です。
食育健康アドバイザーの資格を取得することで、食育に関する知識を得て、実際に食で安全に健康と成長を促進することができるメリットがあります。
まだそれほど有名という分野ではないので、より健康が重要となり需要が増えるこれから先の時代を先取りすることができるかもしれません。
普段から食に関わる仕事をしている人はもちろん、食に関する指導をしたいという人にはおすすめの資格となります。
管理健康栄養インストラクター
管理健康インストラクターは、日本インストラクター技術協会が実施しています。
在宅試験で70%以上の評価を得る事で合格する事ができます。 受験資格はとくにありません。試験内容は、各栄養素を含む食材への知識、食品表示の見方などについてです。試験は受験料10,000円(税込)で、年6回、偶数月に実施されています。
家庭はもちろん、飲食業界の方・福祉施設で、健康志向メニューの提案ができます。個人で、食育インストラクターとして自宅で料理教室を開講し、レシピと一緒に栄養学を教えることができます。
管理健康栄養インストラクターは食育分野の講師としての資格です。日本インストラクター技術協会が認定試験を行っているので、そのことからも講師・インストラクターを育てる資格とわかります。
栄養素の働きなどを学ぶことができ、知識を網羅し、健康面での人の指導をできるというメリットがあり、栄養の基本から勉強したい人にはおすすめの資格となっています。
食に関する知識は廃れるということはないので、持っていて損になる資格ではありません。
飲食店、学校、会社、医療や介護など様々な施設で食の知識を伝える機会はあります。こうした場所で講師業をしたいならおすすめの資格となります。
食育実践プランナー
食育実践プランナーは、 一般社団法人日本味育協会の認定資格で、講座及び検定はユーキャンが実施しています。
ユーキャンの通信講座に申し込み、添削課題を提出し、在宅試験で70%以上の得点をクリアすることで合格する事ができます。 受験資格はとくにありません。試験内容は、野菜など食材の目利きポイント、食事のマナー・年代やライフステージに応じた食の知識などです。
試験はマークテスト方式で、取得費用は39,600円(税込)、受験は随時可能です。
味覚・基本調味料の知識を生かしてレシピを自由に組み立て、健康的で美味しい食生活を日常生活で実践できます。
食育アドバイザー
食育アドバイザーは、一般財団法人日本能力開発推進協会の認定資格です。
在宅試験で70%以上の評価を得る事で合格する事ができます。受験資格は、協会指定の認定教育機関等が行う教育訓練の全カリキュラムを修了した人です。
試験内容 食育・食品の安全性についての基礎知識、食育活動についてです。試験は受験料 5,600円(税込)で、カリキュラム受講開始後、1年以内に随時受験可能です。
家庭内だけでなく、教育、医療、福祉関係、飲食業界、食品業界の現場や料理教室を開くなど、あらゆる場所で食育の知識を広める活動ができます。
食育資格のメリット・デメリット
食育を学ぶメリットは、食材や栄養素の正しい知識を取り入れ、食生活を見直すことで、家族や自身の病気や生活習慣病の予防・改善、アトピー・アレルギー体質の改善、子どもの学力向上を目指せることです。また、日本の伝統的な食文化や食事マナーを学び・伝えることで子どもの教育に貢献できます。子どもはもちろん大人、妊婦や年寄りなど年代に応じた食生活のあり方を学習するので、それぞれに合った食事提供ができます。食に関わる仕事をしている方は、食事に関する知識が増えたことで、任される仕事の幅が増え、以前より高い評価を受けることができるでしょう。なにより、食事は健康にダイレクトにつながっているので、健康的な食事のアドバイスや実践で、相手の病気や体質改善に役立てることはやりがいになります。
一方、食育を学んでデメリットというものは基本的にはありません。デメリットというよりも大変なこととして考えられることは資格取得までの勉強です。
食育の資格は多くの種類があります。基本的には同じような内容のものが多いですが、細部は異なります。その中から自分に合う資格を選び、勉強して資格を取得します。独学でするか通信講座を受講するかを選ぶことになり、3~6ヶ月の勉強は必要になります。食品は多くあるので、やはり覚えなければいけないことはどうしても多くなってしまいます。ここが食育を学ぶ上での最大のデメリットともいえるかもしれません。ですが、それを補うだけのメリットが食育にはあります。食育をしっかりと学べばそれまでの勉強時間など気にならなくなるでしょう。
食育に向いている人・適正
食育に関する仕事は、食に興味があり、今後食に関する専門家になりたい方と、すでに食に関わる現場で活躍していたり、知名度がある方の両方に向いています。その他にも、美肌やダイエットには健康的な食事が欠かせないので、美容に興味のある女性は、食育を勉強する価値があるでしょう。さらに、食育資格はスポーツ関連の仕事をしている方に役立つ資格だと言えます。栄養を考えた食事を採ることがケガや病気防止につながるからです。勉強方法について、食育に関する資格試験は通信講座が多いので、子育て中で在宅で勉強したい方や、自主的に勉強ができる学習意欲の高い方におすすめの資格です。そして、資格取得は数か月と短期間で可能な為、食育の勉強で得た知識を基に食生活を見直したり、改善していくなどの柔軟性のある方や、食育で得た正しい知識を家族や知人に伝えていきたい方は学んだことをすぐに生かせ、仕事につなげていけます。
食育資格を活かす方法
食育の知識は、毎日の食事づくり、食事の際の家族との関わり方や子供への教育などの身近な場面はもちろん、仕事に結び付けて生かすことが可能です。仕事に生かす場合には、大きく分けて2つの方法があります。一つ目は、現状の仕事に知識を生かす方法です。既知の知識や別の資格を組み合わせて、今の職場で任される仕事の幅を広げることができます。例えば、食品メーカーや飲食店、オーガニックスーパー等に勤務している場合は、健康と栄養バランスに配慮した製品企画に携わる、メニューを考案する、お客様のニーズに沿った商品を提案することができます。福祉の現場では、介護と食事の両面から高齢者のサポートできます。また、教育現場では、食べすぎや少食、偏食、アレルギー体質など、子供一人ひとりの体質に合わせて適切な対応がとれるようになります。そして、食育資格を仕事に生かす2つ目の方法は、新たに食育を専門にする職につく、もしくはフリーランスとして活躍することです。 例えば、食育をはじめとした料理・美容・健康などのレッスンやイベントなどの企画です。 企業・教育・医療福祉・スポーツなどの各分野で、広く食育の普及活動を行っていくことができます。
食育の資格を取得することで得た知識はプライベートにも仕事にもとても役立ちます。食育とは栄養面から食事のメニューを考えるだけではなく、食生活を通して健康を向上させるといったことや社会とのつながりを見つめ直すということも含まれています。このことからも食育の資格を活かす方法はこれからも広がっていくことが予想できます。