偏食とは、必要とする栄養素に偏りがある食事の状態です。一般的には好き嫌いとも呼ばれています。この偏食ですが、栄養バランスを乱す原因のひとつになります。栄養バランスの乱れ、例えば偏食に関してはある一定の栄養素しか吸収出来ないため、体に必要な栄養素が足りずに不調、病気、生活習慣病を起こすことになりかねません。
まずは食育で正しい食の選択を身に着ける力をつけ、偏食をなくし、バランスのいい食生活を送りましょう。
栄養バランスとは
栄養素には、糖質、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維があり、これを六大栄養素と呼んでいます。(栄養としては他に、高い抗酸化作用を持つファイトケミカル、体の60%を占める水も体に必要なものです。)この六大栄養素の摂取量のバランスが正六角形になるのが最も効率よく吸収されると言われており、食事をとる際に正六角形を目指すことが推奨されています。この栄養素のどれか一つが飛びぬけて、例えば10中10摂取できていたとしても、他の栄養素が、例えば10中1しか取れていなければ結果的に多く取れている栄養素も一つしか取れないという結果になります。
これは、主に糖質と脂質に言える事で、糖質の摂取量が一番、脂質は二番目に多く、野菜不足からビタミン、ミネラルが10中1しか摂取できていないのが平均的な現状です。吸収できなかった糖質や脂質は脂肪細胞に蓄えられます。これが肥満に繋がります。しかし脂肪細胞が増えすぎると、病気を引き起こすとされる悪玉ホルモンになり、その結果生活習慣病を引き起こすリスクに繋がります。
この偏食は、まさに栄養バランスの乱れを引き起こす要因とも言われている為、バランスよく摂取する事を心がける事が大切です。
偏食は工夫してみよう
極端な偏食として、野菜を一切食べない、という状態は早急に克服すべきです。食べられるようになるため、なぜ苦手なのかを知る必要があります。子どもによくある野菜嫌いとして、食感や苦みが苦手という原因がありますが、触感が分からないようにフードプロセッサーなどで細かく粉砕、もしくはドロドロの状態にしてハンバーグに入れる等、他の食材に混ぜると食べやすくなります。「ここには、嫌いな野菜が実は入ってたんだよ、食べれたね、すごいね!」と、食べたあとには褒めてあげましょう。
甘いものが好きな場合、野菜を入れたゼリーなどのお菓子で「食べる事ができた」という経験を積むこともひとつです。このように、食わず嫌いという場合も、苦手という場合も、一度食べる事ができると自信につながるものなので、調理方法を工夫しましょう。
栄養補助食品も視野にいれよう
偏食は、体に必要な栄養素を補えず、体の不調や病気を招く原因になりかねません。食べないと栄養素を吸収する事ができません。なので、偏食を克服できるように努力しつつ、栄養補助食品のサプリメントなどを食べる事も視野にいれる事をおすすめします。
また、毎食栄養士が管理している食事でも、必要な栄養は補いきれないと言われています。野菜自体の栄養価が、品質改良や二毛作による土の栄養不足により、年々減少してきているからです。そして、コンビニなどで売られているカット野菜は、殺菌されている為ビタミンがほとんどないというのが現状ですが、野菜はそのカット野菜でしか食べていない、という人も多いです。いわば、偏食ではないのに偏食の状態に体がなってしまっているのです。
このような現実を踏まえ、偏食はなくす事、そして栄養補助食品も取り入れ、体にとっても「偏食」ではないようにしましょう。