
媒体とは、様々な情報伝達の媒介手段となるものとされていますが、食育においても適切な媒体を取り入れることは大変効果的です。食育の中で用いられている主な媒体としては、ポスター、リーフレット、卓上メモ、行事食カード、POPなどの紙媒体です。最近では、インターネット環境の普及によりWEBを通じた情報サイトやメールマガジンなどのWEB媒体も増えてきていますが、今回は、誰でも簡単に作れる食育の紙媒体の紹介と作り方のポイントをご紹介します。
① 食育ポスター
ポスターは大判の紙にイラストやキャッチコピーなどが描かれ、人が集まる場所や目につきやすい場所に掲示される媒体です。視覚に訴える力が強いため、効果的なポスターは印象に残りやすく、内容を幅広い世代に伝えることができます。
【作成のポイント】
・目に留まりやすく、見やすいデザインにしましょう。一目見て印象に残るかどうかは色づかいや文字のフォントなどにより左右されます。
・本当に伝えたいポイントをしぼって、できるだけ簡潔にまとめましょう。
・文字は多く入れすぎないようにしましょう。
② 食育リーフレット
学校の給食だよりのように、B5~A4サイズ位の紙に、伝えたい情報をまとめて配布する媒体です。対象者に配布することで、それぞれ時間がある時にじっくり読んでもらえるため、学校と家庭などの情報共有などにも適しています。
【作成のポイント】
・イラストや文章のバランス、レイアウトなどを整えましょう。
・専門用語の羅列にならないよう、分かりやすい文章でまとめましょう。
・クイズなど読む人が楽しみながら学べるような工夫もあるとよりよいでしょう。
③ 卓上食育メモ
会社の社員食堂や学校のランチルーム、病院などのランチスペース、あるいはレストランなどのテーブル上に設置しておき、ちょっとした食に関する豆知識や雑学を紹介する媒体です。
【作成のポイント】
・B6サイズ位の紙にまとめ、カード立てなどを用い、利用者の目に留まりやすくしておきます。
・食事を待つ時間や、食後などのちょっとした時間に気軽に手に取って読んでもらえるように、あまり難しい内容にしないようにしましょう。
・興味を引くテーマを選びましょう。(旬の食材や今日のメニューについての紹介など)
④ 行事食カード
様々な行事食の日に給食のトレイなどに添えるカードです。例えば、お月見の献立にはお月見の由来やイラストを描いたカードを添えることで、日本伝統の食文化や季節を感じることができます。
【作成のポイント】
・トレイに添えるものなので、配膳の妨げにならないように、大きさや形に配慮しましょう。
⑤ POP
スーパーなどに陳列されている食材に付けられている媒体です。商品名や価格とともにその食材の紹介文やキャッチコピーなどが工夫されて書かれています。元々は販促目的の媒体ではあるのですが、最近では栄養価やおいしい見分け方、おすすめの調理法など食育につながる情報が書かれているお店も見られるようになりました。
【作成のポイント】
・伝えたいポイントを上手にまとめましょう。
・フォントの大きさや色を使い分けるなど見やすく、おすすめ感が伝わるように工夫しましょう。
今回ご紹介した食育媒体は、簡単に作れるものばかりなので、食育活動の一環として子供たちに作ってもらい、掲示したり、給食の時間に取り入れてみるのもよいでしょう。調べてまとめるという行為から食の知識が身につくと同時に自分が食べる食事に興味を持つ大変良い経験にもなると思います。