親子での食育は、映画を一緒に見ることでも行えます。国内映画と海外映画分けて紹介します。
国内編
① 「いただきますみそをつくるこどもたち」農林水産省:本映画は、「食育」という概念がなかった時代から独自の試行錯誤を重ね、玄米とみそ汁、納豆、季節の野菜という給食を実践する保育園を舞台に、園児たちによるみそづくりや、漬物・梅干づくり、食事の用意などを通じて「食がいのちを作ること」を学んでいく様子が、撮影されています。玄米、みそ汁の伝統的な和食で育っていくこどもたちの様子を通じ、映画全体を通して「食べること」、「自分でつくること」の大切さが伝わってきます。
② 「もりもり食べて、元気いっぱい」食育エプロンシアター:くま君とチュー子が、ごはんをぱくぱく。もりもり食べる姿に子どもたちも大喜び。野菜が苦手でも挑戦したくなるストーリーです。
③ 食堂かたつむり:小川糸原作の同名のベストセラー小説を『ウール100%』の富永まい監督が映画化した、心にしみる食を通しての人生賛歌です。失恋の痛手から一時的に心因性失声症を患った主人公が実家に戻り、食堂を開いて人々を料理で癒やしていく様を描いています。
④ ぼくが命をいただいた三日間:この映画は、日本の伝統的な食文化をテーマに、人が生きるということの本質を問う“食育エンターテインメント”作品です。冬休みの3日間を父親の故郷である山間の村で過ごすことになった悠介は、祖父母や村人たちと出会い、彼らと畑仕事や猟を共にしながら、食べることのありがたさや命の尊さを学び、「いただきます」という言葉に込められた真の意味を知るようになります。
海外編
① 未来の食卓:2008年にフランスで公開され大ヒットを記録した食にまつわるドキュメンタリー映画です。小学校の給食をすべてオーガニックにするという画期的な試みを導入したフランス南部のバルジャック村の約1年を追いけています。風光明媚な村で暮らすごく普通の人々に、土や水の汚染による病が彼らに静かに忍び寄る記録です。
② フード・インク:アメリカの食品産業の現状に警鐘を鳴らし、第82回アカデミー賞ドキュメンタリー長編賞にノミネートされアメリカで話題を呼んだ映画です。普段口にしている食べ物の生産過程を追う中で、大量消費と大量生産の時代に農業や畜産業が巨大な生産工場と化した現実や、食の市場を牛耳る企業の実態を浮き彫りにしています。
③ キング・コーン 世界を作る魔法の一粒:アメリカで最も生産量の多い食物トウモロコシを通して、現代の食糧問題を見つめたドキュメンタリー映画です。大学の親友である二人の青年が、自分たちの食生活を見直すべくアイオワ州に土地を借りて農作業に取り組み、収穫したトウモロコシの行方を追跡する旅を記録しています。化学肥料や農薬、遺伝子組み換え、政府の補助金、そして健康問題など、現代の食糧システムの実態を現しています。
④ ジェイミー・オリヴァーのスクール・ディナー:料理番組『裸のシェフ』から飛び出したアイドル・シェフ、ジェイミー・オリヴァー主演によるTVシリーズを映画化しました。子供たちの食生活を救うため、ジェイミーは自然食品がベースの給食を発案することで、子どもたちが食に関心をもつようになります。
このように世界中で食に関する映画が作成されています。ぜひ、家庭でこのような映画を見て、食べることに関ししての話をする機会をもちましょう。