
■なぜ、いま「食事」についての教育が必要なのか?
今盛んに「食事」について取り組みがされている理由は、急速な生活様式の変化でこれまで当たり前とされ、家族の中で伝え続けられてきたことが継承されなくなり、食文化の乱れが生じているからです。
日本で古くから伝わる「食事」の文化は
○食事の時は、家族全員が集まり、正座をし、行儀よく食べる
○食事の献立は一汁三菜、季節の素材を取り入れる
○食べ残し、好き嫌いはしない
○箸の持ち方、扱い方
○食器の配置
○三角食べと呼ばれる食の順番
事など様々な事が当たり前とされていました。
食事の席での会話で家族のコミュニケーションや教育がなされ、年長者から学ぶ事も多々ありました。
しかし、急速に核家族化が進み、両親の共働き、子供の数の減少が進む中で
○一人きり、家族それぞれが自分の都合に合わせて食事を摂る
○好き嫌い、食べ残し、偏食が当たり前になる
○単一食べをする子供が増えている
(おかずと主食を交互に食べず、一皿ずつ完食する食べ方)
○硬いもの、噛みにくい物を進んで食べないようになる
○味の濃いもの、簡単に調理出来るもの、手軽に食べられる物が多くなる
他にも、箸を正しく持てない、行儀が悪いなどの問題も目立つようになっています。
このような背景の元、現在の生活習慣に沿った形で、「食」への関心や知識を深める事が食事についての教育を行う意義といえるでしょう。
■日本に伝わる伝統的な食文化
また、日本には古くから伝統的に伝わる食文化が多々あります
○正月や節分、十五夜などの季節行事とそれにかかわる料理
○郷土料理と呼ばれる地方に古くから伝わる料理
○地元農産物を用いた地域特有の料理や調理方法
○冠婚葬祭の時の特別な献立
などです。
このような食文化も生活様式、核家族化の中で年々継承者が減少し、今では季節行事を知らない子供たちがとても多くなっています。
日々の忙しさの中で、季節行事や郷土料理に取り掛かる事は困難や面倒であっても、知識や体験として知っておくという方法でも食文化は継承されていくものです。
学校や地域で郷土の食文化や伝統行事についての授業やイベントを開催するのはその為です。
例えば、正月の餅つきも、昔のように各家庭で行うのは大変でも地域や学校単位であれば、盛況なイベントとする事が出来ます。
今の時代にあった形で「食文化」を継承していくために「食育」は欠かせないのです。
■生活の変化とこれからの食生活
この先、益々日本n生活様式は多様化し、高齢化問題も更に進むでしょう。そのような背景の元で取り組むべき課題は
○子供の偏食、栄養バランスの乱れなど健全は成長を促すこと
○伝統的な食文化の継承と実体験
○高齢者の為の食生活の改善と質の向上
○外国からの食文化、調理方法の取入れと活用
○外食産業と家庭調理との良好なバランス
などです。
小さな子供や高齢者はなかなか自身で、十分に整った食生活を送る事は難しいものです。その為にも、周りの人間が正しい知識、アイデアやテクニックを身に付けフォローする事が大切です。
忙しい日々であれば尚の事、「効率」「知識」が欠かせないといえるでしょう。生活様式や家族の人数、年齢に合わせて都度「食育」へ目を向けましょう。その上で、これまでの知識や経験を元に新たな文化を作りあげて、継承していくことも大切な「食育」と言えるでしょ。