
■保育園、幼稚園で「噛む」事の大切さを教える
保育園、幼稚園で教える場合には、
〇楽しい事
〇何度も繰り返す事
が大切です。
例えば食事の時間に、教員が数を数えながらみんなで一斉に噛むという要領です。たくあんやするめなど噛みごたえのある物をおやつとして取り入れてみてもよいでしょう。
最初は途中で飽きてしまったり、顎が疲れてしまう事も多くなかなか目標とする回数までは到達しない事もありますが、何度も繰り返す事で次第に噛む回数を増やす事が出来、目標を達成できるようになるものです。
また、次第にそれぞれの噛むスピードも異なってくるので、専用のBGMを決め、音楽が流れている間は噛み続ける様に声を掛けてもよいでしょう。
また、するめなどの噛みごたえのある食材は、「噛み続ける事」でどのような変化があるかを皆で話し合ってみると、噛む事の大切さや意味を理解しやすくなるでしょう。
■小学校で「噛む」事の大切さを教える
小学生に教える場合は、まずは「理解させる事」が大切です。学年に応じて
〇図解を活用する
〇映像資料を活用する
〇模型を活用する
といったわかりやすい方法がよいでしょう。
またグループワーク形式で自ら考える場を設ける事も効果的です。
学習の手順は
①噛む事の大切さを知る
②噛まない食事の弊害を知る
③高齢になった時の歯の大切さを教える
④自分が日ごろどの程度の回数噛んでいるのか、現状を把握する
⑤理想となる回数を実際に噛んでみる事で、現実との差を実感する
⑥理想に近づくための目標を定める
⑦定期的に目標までの達成状況を確認しあい、最終的には目標が日常になるところまで近づける
です。このように順序だてて指導をする方法であれば、低学年でも率先して取り組み事が出来、高学年の場合はより専門的な内容にまで学習が広がるでしょう。
■家庭で「噛む」事の大切さを教える
また、家庭での食事の場でも「噛む」事の大切さを教え、よく噛む習慣を付けさせる事が大切です。
特に家庭の場合、テレビを観ながら食事をする事が最近は一般的になっています。その為、子供はついテレビに夢中になってしまい、口の中に食べ物を入れたまま、口の動きが止まってしまうこともあります。中には、無意識のうちに水を頻繁に飲み、水で流し込むように食事をする癖がついていることもあります。
このような習慣は将来にわたって継続されがちで、次第に噛む事を習慣化する事が難しくなってしまいがちです。
噛むという極基本的な動作は、小さな子供のうちから習慣化させる事がとても大切です。家庭では、子供の食事中の様子に目を配り、都度指摘をするようにしておきましょう。ただし単に厳しくするだけでは、次第に親と食事をする事自体が窮屈で不快に感じてしまうようにもなります。
時にはユーモアを交えながら、その意義を教え、自ら積極的に取り組めるように接してあげましょう。
テレビに夢中になってしまうと、噛む動作が緩慢になるだけでなく、味覚も鈍化するとも言われています。意識が食事に向いていないので、食べている物を「味わう」事がおろそかになってしまう為です。
場合によっては、食事中はテレビを消すという方法が必要にもなるでしょう。しかしこの場合、自然と家族間の会話が増えるきっかけにもなるので、あながち悪い方法ではありません。
まずは、どのような課題があるのかをしっかりと認識する事から始めましょう。