
日本には春夏秋冬四季折々に旬とよばれるおいしい食材があふれています。旬は単においしいだけではなく、その食材の栄養価が最も高い時期でもあります。しかし、近頃はスーパーに行けば、季節関係なく様々な食材が一年を通して並べられていますね。大人でさえその食材の旬がいつなのかよくわからなくなってしまうほどです。旬の食材を食するということは、自然の恵みに対する感謝を養い、栄養に満ちた食事につながります。また、旬の食材を話題に楽しく囲む食卓は豊かな心を育む栄養にもなることでしょう。このように、旬を味わうことは食育につながるたくさんの効果があるのです。今回は、旬の食材についてご紹介していきたいと思います。
お手頃!おいしい!旬の食材
食材にはそれぞれ生育に適した季節(温度環境)があり、その時期には人があれこれ手をかけなくても、自然の力でおいしく生育するので生産コストが抑えられ、お手頃な価格で出回ります。また、食材の栄養価は季節によって変動するのですが、旬の時期の食材が最も栄養価が高いのです。例えば、今が旬のほうれん草、ビタミンC含有量をみてみると、100gあたり夏場は20mg程ですが、旬の冬場になると60mg程になります。約3倍にもなるということです。つまり、旬の食材はお財布に優しく栄養たっぷりで健康に良い、いいことづくしの食材なのです。
食材の旬を知る
食材の旬がいつなのか、季節ごとにみてみましょう。
春(3~5月)…キャベツ、玉ねぎ、えんどう豆、菜の花、しいたけ、いちご、キウイ、あまなつ、デコポン、さわら、かつお、しらうお、しらす、たい、あさり、いか、わかめ、など
夏(6~8月)…いんげん、えだまめ、おくら、きゅうり、じゃがいも、トマト、ピーマン、スイカ、さくらんぼ、梅、びわ、メロン、マンゴー、あゆ、いわし、かじきまぐろ、うに、エビ、タコ、など
秋(9月~11月)…かぼちゃ、さつまいも、さといも、しいたけ、いちじく、かぼす、くり、なし、ぶどう、ゆず、りんご、いわし、かつお、さけ、さんま、いくら、かに、など
冬(12~2月)…カリフラワー、キャベツ、ごぼう、小松菜、ほうれん草、大根、長芋、長ネギ、白菜、ブロッコリー、レンコン、みかん、あんこう、いなだ、金目鯛、ヒラメ、ふぐ、など
バランスを考えて食べる
旬の食材はよいことづくしですが、だからといって旬の食材だけを食べるというのはあまりおすすめできません。その理由は、栄養バランスです。旬になると栄養価は上がりますが、栄養素の種類が増えるというわけではありません。健康のためには様々な栄養素をバランスよく摂取することが大切です。旬の食材を積極的に取り入れつつ、旬以外の食材もバランスよく取り入れるようにしましょう。
家庭菜園で旬を感じる
旬を感じるために、家庭菜園をしてみるのもおすすめです。トマトや枝豆など夏野菜は比較的簡単に収穫に結びつきますので、子供たちに旬を伝え、体験させる食育ツールとして大変有効です。最近では、プランターと培養土、種または苗がセットになって販売されているものもありますので、このようなセット利用すれば初心者でも挑戦しやすいかと思います。
私たちが毎日食している様々な食材は、単に栄養を摂るためだけではなく、おいしさを楽しむということも大切です。現代の食生活はたくさんの食材であふれていますが、それらの食材を上手に選択し、その中でその季節に合った旬の食材を楽むことも素晴らしい食育につながります。



