多くの保育園では「食育」を取り入れた保育計画を立てています。
園で子どもたちと作った野菜や、よく食卓で見かける野菜を実際に触ったり、切ってみたりすることで、より野菜を身近に感じることができ、子どもたちの興味を引くことができるので、多くの園で実践されているようです。
仲間分けクイズ
いくつかの野菜を用意して、どの野菜が地面の下にできるのか、どの野菜が地面の上に生るのか、子どもたちにあてさせます。
「仲間同士でグループにわけてみよう」などと声をかけると、子どもたちは自分たちの知っている限りの知識を出し合って考えます。
野菜がなっているところを見せられないときは、正解を出すときに写真などを見せてあげるとよいかもしれませんね。
子どもたちは実際に写真などで確認することで、その野菜がどのような状態で畑にあるかということを簡単に覚えてしまいます。
野菜の名前あてクイズ
子どもたちから見えないように箱や袋の中に野菜を入れて、穴から手を入れさせて実際に触らせてみます。
子どもたちは自分の手で触れて、形や触感から色々な野菜を想像することが出来ます。
このような遊びは、実際に手を入れる本人も、また、答えを知っている周りの子どもたちも大変盛り上がります。
そして、実際に触ってみると、食べるだけではわからないトゲトゲや細かい毛などにも気づくことが出来るでしょう。
また、目隠しをさせて匂いを嗅がせて野菜をあてるのも子どもたちにとっては楽しい遊びのひとつ。
このような五感を刺激する教材としても、野菜はとても有能です。
まずは切ってみる
ひとつの野菜を、方向を変えて切ってみると新しい発見があります。
例えばピーマン。
横に輪切りにしたら、お花の形になります。
縦に切ってみたら、種がどのように入っているかがよく見えます。
このように、横と縦で形が違う野菜はシルエットクイズのようにしても子どもたちが喜びます。
断面が星形になるオクラなども、楽しいかもしれません。
スイカのように色が想像できないものも楽しいです。
最近は中身が黄色いスイカも売っていますから、切る前に「中身の色は何色でしょう」と子どもたちに聞くと、赤の他に、黄色いスイカを知っている子は誰よりも早くに答えを言いたがり、大変盛り上がります。
また、スイカは種が入っている方向があるので、縦に切ったものと横に切ったものを比べてみるのも楽しいかもしれません。
色が違うといえば、野菜ではありませんがキウイフルーツなども身近で用意しやすい教材になります。
切った野菜を食べてみる
切った野菜は、そのまま無駄にせず食べることを実践します。
年齢が上の子どもたちなら、大人が手を添えて一緒に切るのもいいですし、子どもたちの前で野菜を食べやすく切っていきます。
一番簡単で野菜の味を確認できるのは、サラダか、ホットプレートを使った素焼きでしょう。
トマトやキュウリなど生で食べられるものは、そのまま食べてみます。
その時に、少し塩をかけてみたら、味の感じ方がどんな風に変わるのかを子どもたちに聞いてみてもいいかもしれません。
また、生で食べられないものはホットプレートで焼きます。
なすやピーマンなど、子どもたちが少し苦手とする野菜は、チーズなどを乗せてピザ風にすると食べやすくなります。
小さいピザのように、餃子の皮の上に乗せて焼いてもいいかもしれませんね。
遊びの中で学ぶ重要性
子どもは興味のないものには、何度教えても振り向いてくれません。
ただ、自分が興味を持ったもの、面白いと思ったものは、すぐに覚えてしまいます。
そのため教育の現場では、子どもたちが大好きな遊びの中で、まずは子どもたちに興味を持たせることから「食」の大切さを教えています。
これは家庭でも簡単に真似することができます。
家にお友達を呼んだら、たまにはゲームなどをやめてクイズ大会でもいいかもしれません。
そしてクイズの後は、使った野菜を食べてしまえば、おやつの食べ過ぎで夕飯が食べられない、とイライラすることもなくなるかもしれませんね。